2015.03.30 2年目の違い
引き続きコアクティリスのネタです。



さて、こちら挿木2年目の苗の様子です。
(平成26年5月挿木、同年7月鉢上げ~越年)
挿木2年目




こちらの方は実生2年目の苗。
(平成26年7月播種、10月発芽~越年)
実生2年目




この差は大きい。
挿木苗の方は茎が太いし、よく見ると地際の節の両側に腋芽もできています。
今年の内に株立ちになろうとしています。
ひょとしたら夏以降に開花が見られるかもと期待してしまいます。

一方の実生苗の芽は昨秋の発芽直後に比べれば大きくなりましたが、
まだまだ細く、一本立ちするには心もとない感じです。
開花株になるにはあと1年では足らないかもしれません。


速く成株にするには挿木の方が圧倒的に有利なのは間違いないですね。
しかも親株と全く同じ物が複製できるのです。
これは品種の保存や増殖にとってはとても大切なことです。

実生は交配による新品種作出に限ると考えるべきでしょう。
それ故交配の組み合わせには用意周到な計画を持って臨むべきです。

その労が報われるかどうかが判るにはかなりの年数が必要です。
この年になると、残された時間はそう多くはないのですから、
無駄な時間を費やしてはいられないのです。

期待して選んだ組み合わせでさえ、思い通りの結果にならない事が多いので、
育種というのはつくづく難しいものだと思っています。
先人は偉大だなあと思うこの頃です。

買わなきゃ当たらぬ宝くじ。
振らなきゃ飛ばないホームラン。
掛けなきゃできない新品種。




≪追記≫
なにげなくタイトルも記事も「2年目」と書きましたが、
考えてみるとこの苗たちはまだ満1歳にもなってないんでした。
この春が生まれて初めての春なんですよね。

発芽(発根)を誕生日とすれば、今年の夏から秋で丸1年。
それなのに2年目というのは変ですね。

園芸業界で言う挿木1年苗、2年苗というのは
どういう数え方をしているのでしょうか?

足かけ2年目の意味なら2年目でいいのかな?
でも実年齢は満0歳、数え年でも1歳ですから
2年(目)という表現は誤解を招くかも知れません。
一応お断りしておきます。



今日コアクティリスが開花しました。

春の陽気に誘われて、見る見るうちに蕾が膨らみ、
昼過ぎに口を切りました。



cactilis 20150328_01

昨年の記録を紐解くと、4月11日に開花したと記事にあげています。
なんと2週間程も早い開花となりました。

防寒のため屋内に取り込んだことで開花が早まったのは確かですが、
昨冬も同じことをしているので、屋内・屋外関係なしに
3月が去年より全般的に暖かかったという事でしょうか。


cactilis 20150328_02


去年は5月の展示会に出品しましたが、今年はそこまで持てそうもありません。

ということで今季は交配のお仕事に携わって戴こうかと思いを巡らせてみるのですが、
開花のタイミングが合う花があるかどうかそれが問題です。


花粉の冷凍保存なんてできるんでしょうか。
やり方がわかりません。
教えてください。但し液体窒素なんて無理ですよ。




ここに2つの実生苗が育っています。
発芽3年目で未開花株です。




2つの実生苗

母親は「霞の君」で、OP(Open Pollination=自然交配)の種子です。
発芽して1年くらいの幼苗の時には、特徴がはっきりしなかったのですが、
これくらい育ってくると違いが歴然です。



右の株は葉も茎も全く無毛で赤味を帯びてつやつやとしています。

親に似ぬ子01

親に似ぬ子02



左の方は多少親に似て茎が柔毛に蔽われています。
葉は白く見える程には多くありません。微妙な親似加減。

親似の子



こちらが親株

霞の君 親株



このまま育てば今季花が見られるのではないかと思います。
どんな花が咲くのでしょうか。
駄花かも知れないですが、それは咲いてのお楽しみ。

同じ組み合わせの人工交配で違う花が出るのはよく知られた現象で、
有名なところでは故小澤さんの「柿生」と「麻生」がそうですし、
外国では
G.Jackmanのダッチェス・オブ・アルバニーとサー・トレボー・ローレンス
(C.texensis×Star of India 1890)
B.Fretwellのプリンセス・ダイアナとレディバード・ジョンソン
(Bees Jubilee×C.texensis 1984)
それぞれ兄弟株です。
一つの花にめしべが多数あるクレマチスならではの変異ですね。


そんな優品の出現を夢見ることは実生にしかできないことですよね。
(その陰に星の数ほどの駄品の山があるのですが・・・)




日に日に暖かくなり、実生の小苗にも新芽の生長が見えてきました。
屋内で避寒中だったコアクティリスは早くも蕾が見え始めました。
開花時期を遅らせるため屋外の栽培棚に移したのですが、
状態が進み過ぎてしまい、程なく咲いてしまいそうな勢いです。

coactilis20150320.jpg




挿木で越年の原種カザグルマも芽がほころびてきました。
今季の開花は望めませんが、しっかりと体づくりに励もうと思います。

カザグルマ2015




以前記事UPした紫の上の越冬蕾は案の定凍害で引けてしまいましたが、
これまた予定通りに新しい芽が地下からホコホコと出て参りました。
よく見ると、引けた蕾の腋芽が伸びたものと、地下の節から分化した芽とが混在しています。

凍害蕾と新芽




意固地にクレマチスしか栽培しないと言うんじゃないんだよと、
世間の目を欺くために、一般の花好きを装って
門扉の横に置いたビオラのプラ鉢。

ビオラの大盛り

テンコ盛りに咲いてまあまあきれい。